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教育長あいさつ平成27年9月号


                      家庭における「当たり前」のことをもう一度見直す


教育長あいさつ

   私はもともと中学校の教員です。以下は20年前の私の学級の保護者懇談会の様子です。

1 出席者自己紹介:大方は「○○の母です」程度。心ある保護者は我が子の家庭での様子や悩みなどを打ち明ける。
2 学級の様子の報告:一部保護者がせっかく勇気をもって発信してくれた悩みや課題を拾い上げることなく、一方的に学級の様子を伝える。担任も保護者も発信しっぱなし。共有したり意見や感想を述べ合ったりしたりすることはない。
3 事務連絡を行う:修学旅行や遠足などの事務連絡をする。大抵資料に書かれている情報であり、読めばわかる程度の内容。
4 質疑応答・解散:事務連絡に対する質疑応答を行う。ほとんど質問は出ずに解散となる。
5 個人的な悩み相談:解散後3~4人の保護者の個人的な相談に乗る。全員で共有したほうが良い内容が多数あり。
   このような懇談会を繰り返しているうちに出席者がどんどん減ってきました。「これではいけない!」と思っていたある日、学級代表の二人の保護者からも同じような相談が。三人で知恵を出して「2年1組保護者心得」をつくろうということになりました。
   具体的な目標があると保護者懇談会の質が変わってきます。出席者も増えてきました。悩みがたくさん出され、それに対して先輩保護者から自らの経験談が語られる、「親の役割」とは何なのか話し合われる、失敗談・成功談が共有される、「心得」の原案に対して「この表現の方が分かりやすい」「この項目は理想論だ」「子供からの意見を聞くべきだ」等の議論が交わされる…。回を重ねるたびに「心得」がどんどん深まり、同時に「仲間意識」が高まっていきました。
   「臨時保護者会」というとどうしても「すわ!事件か!」となりますが、この年の学級は「臨時会」を何回も持ち(時には夜の懇談会も開催)、学級の保護者の総意で下記「心得10カ条」を作り上げることができました(改めて読み返すと「携帯」や「SNS」について触れていません。時代を感じさせます)。完成時の達成感、感動、交わした握手は忘れられません。

2年1組 保護者心得10カ条

第1条  我が家では「おはよう」「ただいま」「お休みなさい」のあいさつと「ありがとう」の言葉は欠かしません。

第2条   我が家では子供にたくさん話しかけます。子供の話をしっかり聞きます。

第3条   我が家では朝食をきちんと食べさせます。食事の時はテレビを消します。

第4条   我が家では役割を与えて必ず続けさせます。

第5条   我が家では子供の良い点をほめ、認めることを努力します。

第6条   我が家では毅然とした態度でダメなことはダメといいます。

第7条   我が家では先生の悪口は絶対に言いません。

第8条   我が家では「早くしなさい」「勉強しなさい」はなるべく言いません。

第9条   我が家では子供が勉強しているときは親も家の仕事をします。

第10条 我が家ではできる限り親子で地域の行事に参加します。

   教育には「不易」と「流行」があるといわれます。「家庭教育」こそ、「不易」の言葉がぴったりなのではないかと感じます。上記10カ条は20年ほど前につくられたもの。しかし本質的な部分では古さを感じません。それはなぜか。10の心得は未来永劫変わることがない親の役割、すなわち家庭教育の「不易」、言いかえれば親として「当たり前」のことだからです。
   ちなみに、その後2年1組 保護者心得は学校全体に広がり、改定を繰り返しながら現在も「○○中学校保護者心得10カ条」として活用されていると聞きます。そして当時の2-1保護者の皆さんとは今でも固い絆でつながり、年一回の懇親会には必ず参加させていただいています。そこに集まる誰もが10カ条を諳んじることができることに毎回驚きながら…。

教育長 坂田 篤

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