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教育長あいさつ平成28年9月号


教育長あいさつ

「悲劇は絶対に繰り返さない」

 

 学校ごとで多少の違いはありますが、40日間の夏休みが終わりました。子供たちは自分の興味・関心があることにじっくりと関わることができたことでしょう。プールにもたくさん行って真っ黒になったことでしょう。友だちとたくさん遊び、ご家族ともたくさん触れ合うことができたのではないかと思います。日ごろの学校生活ではできない「体験」を通した「学び」を得ることこそが夏休みの一番の意義なのです。
 さて、始業式には子供たちの元気な姿を見ることができた、という各校長のからの報告を受けて正直「ホッ」としています。報道等を通して子供の事件事故を見聞きするたびに、胸が締め付けられるような苦しさとともに、「危機感」が膨らんでいたからです。  
 本市の小中学校は、どの学校も大変丁寧に子供と関わってくれています。その点では大きな「信頼」を寄せています。しかし決して「安心」はしていません。教育委員会事務局の職員は常に心の片隅に「危機感」をもって職務にあたっています。先生方もそうしてくれているはずです。なぜならいじめにしろ、不登校にしろ、虐待にしろ子供を取り巻く様々な課題を解決するには「子供の心」という見えないものを見ようとしなければならないからです。
 この夏、青森県で中学生の尊い命が失われました。一人は中学1年生の男子。いじめを受けたことをつづった書置きを残して自ら命を絶ちました。もう一件は中学2年生の女子。ご家族が意を決して公表された本人の遺書には死を選ばずを得ないほど追いつめられた苦しみと無念さがにじみ出ています。
 厚生労働省の調査では、18歳未満の自殺者は9月1日が最多となっています。専門家は「いじめに苦しむ子供は、学校が始まる日を指折り数えて追い詰められていく」「いじめが解消していると期待して登校したが変わらず、その落胆が自殺につながっている」と分析しています。もしかしたら、本市にも同じ思いをもっている子供がいるかもしれません。どうすればそれを把握できるか、どうすればその苦しみを解決できるか…、こう考えることこそが「危機感をもつ」ということなのです。
 本市の教育の「幹」は命の教育です。「赤ちゃんの力プロジェクト」や「ハンセン病資料館での学習」「認知症サポーター養成講座」等の命の尊さを実感できる活動を全ての児童生徒が体験しています。人の命は何よりも重く代え難いものであることを、生きることに心からの感謝の想いをもつことを、自他を大切にして思いやることを学んでくれています。
 それでも子供は悩みます。友だち関係のこと、家族関係のこと、勉強のこと、部活動のこと…。その「心の内」を見せずに自分一人で抱え込んでしまっている子供もいます。人は誰でも他者の心の中までは見ることはできません。しかしその努力はできます。その一つが「あいさつプラス一言運動」「いつでもだれでも相談活動」です。
 「あいさつプラス一言運動」とは、日常交わされる「おはよう」「こんにちは」「さようなら」等の挨拶のあとに、「今日の算数の時間頑張ったね」「部活動で一生懸命やっているって顧問の先生が褒めていたぞ」等の「一言」をどの先生も加えようというもの。そして「いつでもだれでも相談活動」とは、相談期間であれば担任の先生だけではなく、他の先生でも校長先生でも事務主事の方であっても、誰でもいつでも子供からの相談を受け付けるというプロジェクトです。
 これらの取り組みは「君のことをしっかりと見守っているよ。何かあったらいつでも相談になるからね」という先生たちからのメッセージです。このメッセージを子供たちが受け取り、先生たちも子供の声にしっかりと答える…。この積み重ねが互いの信頼関係をより強め、「見えない心」を少しずつ見せてくれるようになってくれるはずです。
 「あいさつプラス一言運動」「いつでもだれでも相談活動」は現在、14校すべての学校で取り組んでいますが、家庭でも地域でも実行できるもの。子供にかかわるたくさんの大人が「あなたのそばについている」というメッセージを子供に送ってあげることができれば、悲劇は繰り返されることはなくなるかもしれません。いや、社会の力を結集して絶対に繰り返させないことこそが私たち大人の責任なのではないでしょうか。

教育長 坂田 篤

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