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教育長あいさつ平成29年11月号


教育長あいさつ

   

あふれる感性 あふれる想い

 

秋の陽の 毛布くるまり 夢心地(酔花幻)

  第9回石田波郷俳句大会の表彰式が行われました。小学生の部の大賞は「夕焼けを 母とながめて 仲直り」、中学生の部の大賞は「一ページ ふわりとめくる 春の風」。何と素敵な句でしょう。市長賞、教育長賞、特選、入選いずれの作品からも「心」を感じます。「物語」がにじみ出てきます。「風景」が見えます。「音」が聞こえてきます。

 落語家の三遊亭圓窓師匠は「言葉は口から出るものではありません。心が語るものなのです」と仰ったそうですが、俳句も全く同じ。「俳句は鉛筆から生まれるものではありません。心から紡ぎ出されるものなのです」。

 私たちの身の回りには、素敵なこと、不思議なこと、驚きなこと、ドキドキすることがあふれています。よく目を開いてみてみましょう。夕焼けの空を自在に舞う赤とんぼが見えます。まるで小さな飛行機のようです。通学路の落ち葉はまるで道路に描く不思議な絵のようです。ドングリはロケットのようですし、松ぼっくりは怪獣の頭のよう。

 ちょっと耳を澄ませてみましょう。さわやかな秋風は悲しみを吹き飛ばしてくれるようです。虫たちが私たちのために懸命に「輪唱」を歌ってくれていますし、秋雨の音と重なってショパンの「雨だれ」が聞こえてきます。お母さんがまな板で野菜を切る「トン、トン」という音が聞こえます。まるで「おいしいご飯がすぐできるから、早く帰っておいで!」といっているよう。

 ちょっと香りを楽しんでみませんか? 私などはさんまの焼けるにおいで田舎の祖母の記憶がよみがえります。栗ご飯が炊ける香りは、それだけで食卓の秋の話題が聞こえてきそうです。秋の太陽は幸せの香りがするし、秋の草からは健康のにおいがする。

 普段何気なくやり過ごしてしまう出来事にも、見過ごしてしまいそうになる風景にも、聞き逃してしまいそうな音にもすべて「命」があることに気づくはずです。

 俳句を創るには「心の目で見えないものを見、心の耳で聞こえない音を聞く」ことが必要です。これが「感性」といわれるもので、私たちの「心の栄養源」です。私たちの体は栄養を与えなければ衰えていきます。不健康にもなります。心も同じ。たくさん栄養を与えなければ、心はいつしか不健康になり死んでしまうのです。

 「いじめ」は不健康な心から生み出された行為です。心の目で相手の見えない心を見る、心の耳で友達の声なき声を聞く。そうすれば思いやりの心が生まれます。全てのものを大切にする思いが沸き上がってきます。実は俳句は「いじめ」を撲滅する力もあるのです。

 俳句は「世界一短い詩」といわれます。たったの17文字しかありません。17文字の中に感じたこと、思ったこと、風景や情景、夢や希望、発見や感動をギュッと詰め込むのです。「どのような季語を使えば自分のイメージに一番ぴったりかな…」と季語を調べる。「どんな言葉を使えば、自分の想いがわかってくれるかな…」と辞書を引いてみる。「みんなに情景が思い浮かべてもらうには、もっと違う表現はないだろうか…」と試行錯誤する…。俳句は知らない言葉を知ったり、自分の気持ちをコンパクトにまとめたり、試したり工夫したりする力も育んでくれます。実は俳句は自分をもっと賢くしてくれる力もあるのです。

 今回の第9回大会には、清瀬市の子供たちだけでなく全国各地、いやワシントン日本人学校やタイバンコク日本人学校からも、7000句を超える応募がありました。どの作品も豊かな感性があふれています。子供たちのすごい力を感じます。

 「もしも世界中の小さな村で、小さな子供たちが、小さな善いことをしたら、世界は変わるだろう」というアフリカのことわざがあります。これからも石田波郷俳句大会を通して子供たちの「いじめ撲滅」「学力向上」の輪を清瀬の地から日本中に、いや世界中に広げていきたいと、改めて決意しています。

平成29年石田波郷俳句大会の様子1平成29年石田波郷俳句大会の様子2


石田波郷俳句大会表彰式の様子と作品


教育長 坂田 篤

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