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教育長あいさつ平成30年9月号

 

教育長あいさつ

                     

 

 

「成長の120日間」

 

         秋天(そら)駆ける 五千五百の 駿馬たち(酔花幻)

 

 いよいよ2学期が始まりました。この120日間は子供たちがぐんぐん成長する時。

 2学期は運動会シーズン。7校の小学校が秋の運動会に向けて準備を始めています。

 

 運動会は「協力の心」が成長する時

普段はあまり話したことがない友達と同じ「赤チーム」になった。ちょっと怖くて近寄りがたい先輩とも同じチーム。仲良くできるか心配した。でも…運動会当日。紅白対抗の騎馬戦では学年関係なしに共に声をからして応援した。大玉送りでは仲の良し悪し関係なく協力できた。赤軍が勝てば一緒に喜び、負ければ一緒に悔しがった。「人は目標を一つにすれば心も一つにすることができる」ことを体験できた。「協力」ってこんなことなのかもしれないな…。 

 また運動会は「自分を一層伸ばす力」が成長する時

長距離走。目の前を走るあいつにだけは負けてたまるか、と歯を食いしばって走る。隣であいつの激しい息遣いが聞こえる。限界が近づいて心臓が破裂しそうになりながら喰らいついていく。最後の一周。あと少しであいつと並ぶ。もう一息なのになかなか距離が縮まらない。あいつもたぶん限界ギリギリで走っているんだろう。最後の力を振り絞ってゴールテープを切る。校庭に倒れ込む。青空がまぶしい。あいつというライバルが自分の限界レベルを高めてくれたことに気づく。肩で息をしながらどちらからともなく握手を交わす…。

 そして運動会は「自分を信じる力」が成長する時

大縄跳び。我がクラスは目標にしている100回の壁がなかなか越えられない。その原因は僕にある。いいところで引っかかってしまうのはいつも僕。80回を超えると集中力が切れる。90回を超えると足が上がらなくなる。みんなで回数を大声で唱える。僕も負けずに数える。縄の回し手の奴が檄を飛ばす。「しっかり足を上げろ!」「集中だ!」「頑張れ!」。みんなの声が僕の心に勇気を与えてくれる。「今回は飛べそうだ!」。96、97、98、99…。あと一回。「100!」 やった! 引っかからなかった! 目標をクリアしたぞ! クラスのみんなが僕の頑張りを後押ししてくれたんだ。あきらめなくてよかった…。

 芸術の秋。2学期には学芸会や学習発表会、合唱コンクールや音楽会、展覧会や作品展などが目白押し。

 学芸会は「感じる心」を成長させてくれる時

「ごん狐」。ウナギ泥棒と間違えられて殴られている兵十の姿を見てごんはどう思ったんだろう…。兵十に栗や松茸を一生懸命届けたごんは何を考えていたんだろう…。ごんを間違えて撃ってしまった兵十はどんな気持ちだったんだろう…。火縄銃から立ち上る青い煙は二人のどんな思いを表しているんだろう…。一生懸命感じ取ろうとする。一生懸命ごんになり切る。兵十になり切る。幕が下りてホッとする。客席で観てくれていたお母さんが声をかけてくれた。「良かったよ!」。

  合唱コンクールは「表現する力」を成長させてくれる時

「大地讃頌」。どうすれば「母なる大地」のイメージを表現できるだろう。優しい母の懐の暖かさ、広大な大地に抱かれる安心感、どっしりと揺るがない安定感…。こんな音色で歌ってみよう。こんな強さがいいのではないか。こんな速度で歌えば表現できるかも…。試してみる。でもちょっと違う。友達にも聞いてもらう。「もっと息を深く吸った方がいいよ」とアドバイスをくれた。私も友達にアドバイスを返す。「力を抜くと伸び伸びとしたいい声が出るって先生が言っていたよ」。練習を重ねる。本番では自分たちにしか表意できない「大地讃頌」が歌えたと思う。

 
 だんだん夜が長くなってくる2学期は、自分自身とじっくりと向き合うことができます。

 秋の夜長は「疑問を持つ力」を成長させてくれる時

 たまには読書でもしようか…、と本を手に取ってみた。私が幼い時に母が買ってくれた絵本「かわいそうなゾウ」。そういえば最初にこの本を読んだとき泣いちゃったな。もう一回読み返してみると悲しみよりも怒りと疑問がわいた。なんで日本は戦争を起こしたんだろう…。なぜ動物たちは殺されなければならなかったんだろう。よし、秋の夜長、時間はある。他の本も読んでみよう。

 家でゴロゴロしていたら、おばあちゃんの歌声が聞こえてきた。「ウサギウサギ、何見て跳ねる…」。そうか、もうすぐ十五夜だ。はて、なんで「十五夜」っていうんだろう? なんで十五夜にはススキと団子を祭るのかな? おばあちゃんに聞いてみよう。

  部活の帰り道。歩きなれた道だけどなんだか景色が違う。ああそうか紅葉だ。そういえば小さい時、赤く染まったモミジを見て、まるでしもやけの手みたいだって思ったな。ところでなんで秋は葉を赤く染めるんだろう? 日照時間が問題なのかな? それとも気温が問題なのかな? よし明日、図書室で調べてみよう。

 子供たちは身の回りのあらゆる事柄を通して「成長」しています。すなわち、私たちを取り囲むすべてのモノ、コトは子供を成長させる「先生」なのですね。

 2学期に出会う「先生」は実にたくさんのことを教えてくれます。でも多くの子供たちはこんな素敵な先生の存在に気づいていません。とってももったいない。気づかせてあげられるのは誰でしょう。そうです、私たち大人の役割です。

 「なぜだろう?」「どうしてだろう?」と興味・関心を掘り起こしてあげること、そして小さな興味や芽生えた関心を基にいろいろなことに挑戦させてあげること。加えてその都度「こんなところがよかったね」「すごいな! よく頑張った!」「次はこんなことをやってみたらどうだろう」とほめ、認め、示唆してあげること。
 

 体も心も、そして賢さも「成長」する2学期。ぜひ子供たちを応援し、導いてあげてください。




教育長 坂田 篤



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