教育長あいさつ　令和2年6月号

 

 

「新しい生活様式と原点」

 

 

 

 

　長い間の休校、再開後も感染防止のために様々な事業が中止。心配しつつもなかなか子供たちの様子を直接見ることができませんでした。

「何かにかこつけて学校訪問をしよう…」。

　ちょうど給食の配膳方式が「大人の手で盛り付けをする」に変わった月曜日、チャンスとばかり第四小学校の配膳を視察することに。子供たちは私に嬉しい驚きと感謝の想い与えてくれました。
　石鹸を使ってしっかりと手を洗う、先生が配膳している間ちゃんと着席して無言で待っている、列ごと順番に並んで給食を取りに行く、食事中もおしゃべりの声は聞こえない、おかわりも教室のルールに則って整然と、たくさん食べてくれてほとんどの学級で残滓なし、もちろん食後も立ち歩く子供は皆無、「ごちそうさま」をした後もルールを厳守…。実質一か月しか学校生活を送っていない一年生も立派な姿。間違いなく四小の先生方の指導のおかげです。
 「学校の新しい生活様式」が求められています。三密回避、手洗い、マスク、消毒…。給食もこれに則ったもの。でも振り返ると私が小学生の頃、給食時間のおしゃべりは許されなかった。禅の世界でも静寂の中で食事をすることで、食べられることへのありがたさと共に「米がこんなにも甘かったのか」と気づくという。
　コロナは私たちに「新しい様式」だけでなく「原点」を振り返らせてくれているのかもしれません。