教育長あいさつ　令和6年5月号

新しい年度が始まって早一か月。緊張していた小中学校の新入生1,154人の表情も、時間の経過とともに、新たな出会い、新たな日常、新たな挑戦に、輝きを増してきているようです。

 

 

この「教育長あいさつ」。一年間を通したテーマは昨年度と同様、「一語一会」としつつも、これまで以上に読者の皆さんが感じ、考え、役立てていただけるメッセージになるよう、新たな気持ちで再スタートしたいと思っています。今年度も何卒お付き合い方お願いいたします。

早速ですが令和6年度最初の「一語」です。それは「しゃべる前にシャベルを持て」。

初任の頃。私の部活動指導のコンセプトは「自主的な練習」。部長を職員室に呼んで今日の練習を指示し、自分は職員室で仕事をし、時にお茶を飲み、時に先生方とおしゃべりをする「遠隔操作」。
ある日、その様子を見た先輩教員にこっぴどく叱られました。「教師が汗をかかずして子供の心を動かしたり、やる気に火をつけたりすることができようか。ああせい、こうせい…、と言ってばかりいるお前は、自主性の名を借りて楽をしようとしているだけだ。しゃべる前にシャベルを持て！」。
教師（親）は子供にとって最大の「学習環境」です。全力で課題に打ち込む教師の姿、家事でも何でも自分の責任をしっかりと果たそうとする親の姿、子供とともに汗を流す私たち大人の姿は、100回の「勉強しなさい！」の言葉とは比較にならないほど子供の心に訴える力があるのです。