教育長あいさつ　令和4年6月号

 

 

今月の「一語」　「誰よりも　先ず　生き生きしている人」

一人の保護者が私に贈ってくれた言葉です。

　教師二年目の年の運動会。我が3年2組の目標は「ムカデ競争に絶対勝つ！」。足が速い生徒が少なくてもチームワークさえあれば勝てる競技。朝練習に昼練習、体育の時間はもとより、時に音楽の時間を使って（本当はダメ。時効でしょう）練習…。本番が近づくにつれて熱量がどんどん高くなっていきます。

そして本番の前日。「先生、最後の自主練習を河川敷でやるので付き合ってくれませんか？」。練習を重ねるうちに、塾を終えた生徒も参加してクラス全員集合。いつの間にか夜になり、街灯の光を頼りに私も一緒に話し合い、試し、また話し合い、また試し…。

そうこうしているうちに生活指導主任が汗だくで飛んできました。「何やっているんだ、学校の電話が鳴り続けているぞ！」。気づけばすでに夜の9時。学校も親も心配して探し回っているとのこと。

急いで子供を返して学校に戻る。一軒一軒、電話してお詫びをする中で、しょげかえっている私に一人の保護者が言ってくれました。

「先生は『先』に『生』まれたからって偉そうにしていちゃダメ。先生には誰よりも『先』ず、一番『生』き生きとした「先生」でいてほしいと思っています」。

「教師は子供にとって最良の学習環境であれ」。こんな教師としての使命、誇りを教えてくれた「一語」を私は生涯大切にするでしょう。ダントツ一位でムカデ競争のゴールテープを切った40人の笑顔と共に…。