教育長あいさつ 令和7年3月号
3月は巣立ちの月。小中学生、合わせて1,200人が巣立っていきます。
今月の「一語」は「人生の階段」。巣立ちを迎える1,200人の子供たちに贈ります。やや長くなりますが一読ください。
○日本人の平均寿命は84年。一日を階段の一段とすれば84年は30,660段。その内、小学校6年間は2,160段。中学校3年間は1,095段。
○「卒業」という日は2,160段、1,095段の階段を上ってたどり着いた「人生の踊り場」。ちょっと一休みしてこれまで上がってきた階段を振り返ってみよう。
○君たちが登ってきた階段の一段一段は決して同じ高さ、同じ幅ではなかったはずだ。ちょっとやそっとでは進めないようなとっても高い一段もあれば、時間をかけて次の一段に進まなければならない幅広の段もあっただろう。時にはグラグラとふらつくような一段もあれば、霧がかかって足元が見えないような一段もあったはずだ。
○こんな「山あり谷ありの階段」を君たちは登ってきた。しかしその道のりは決して順調ではなかったはずだ。時に疲れたからといって同じ段で足踏みをしてしまったり、時に誘惑に負けてしまって上らなければならない階段を逆に下ってしまったり、時に他の人に追いつくために二段飛ばし、三段飛ばしで駆け上がろうとして転んでしまったり…。また時には階段を上がる際に他の人の足を踏んでトラブルになったり、足元がおぼつかない中、階段を上がることをあきらめたりしてしまったり…、こんなことが必ずあったはずだ。いや、こんなことばかりだったかもしれない。
○実はみんなが上ってきた階段一段一段には「成長のアイテム」が隠されていたんだ。「成長のアイテム」とは何か。国語や算数など各教科の学びであったり、友達とともに何かを創り上げることであったり、規則を守ることであったり、人が人である所以の喜びとか悲しみとか、感動とか挫折とかいう体験であったり…。
○この「成長のアイテム」を拾えば拾うほど、人は成長する。君はどうだっただろう。拾い忘れてきた「アイテム」はなかっただろうか。階段を上がることだけに一生懸命になり「アイテム」の存在自体を忘れてしまったことはなかっただろうか。拾い上げることが面倒になったり両手に持ちきれなくなったりしてそのまま置いてきてしまった「アイテム」はなかっただろうか。自分の好きな「アイテム」だけを手に入れようとしてこなかったか。誰かに言われたからと、いやいや「アイテム」を拾ってこなかったか。「拾ったつもり」になっている「アイテム」はなかったか。そして「なぜアイテムを拾うのか」を考えながら階段を上がってこられただろうか…。
○「踊り場」に立っている今、是非小学校という名の二千段を、中学校という一千段の段段を振り返ってほしい。そしてこれからの未来に向けて続く3万段の階段をいかに上がるかを考えてみてほしい。
○これが「卒業」という名の「総まとめ」に向き合う君たちに贈る言葉だ。
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