教育長あいさつ 令和6年6月号
今月の「一語一会」は「ありがとう上手な大人になろう」です。
教師を含め私たち大人は子供にとって最大の学習環境であって、子供の力を伸ばし高めていくための最高の教材です。
学校を訪問するといつも感じます。担任の先生が日ごろから怒ってばかりいる学級の多くは、子供たちの表情も暗く教室の中にどんよりとした空気が漂っています。
大きな声で元気と笑顔いっぱいな先生の学級は、子供たちも表情も生き生きし、エネルギーに満ちていて、周りの人たちの心も晴れやかにしてくれます。
このことは親子の間でも指摘できること。常にイライラしている親に育てられた子供は友達に対して攻撃的になるし、「おはよう」「行ってきます」「ただいま」「おやすみなさい」のあいさつが交わされる家庭では、挨拶だけでなく礼儀を重んじる子どもが育ちます。
私が現役時代に仕えたある校長先生。校内で「サンキュー校長」というニックネームがつくほど、子供に対して、保護者に対して、地域の人たちに対して、また教職員に対して話をするときは必ず「ありがとう」からはじまり、「ありがとう」で話を終えるような方でした。
校内を見回りながら「きみは掃き掃除がうまいね。おかげで校舎はいつもピカピカだ! ありがとう」、PTAの会合では「いつも学校を支援していただける皆さんに感謝です。ありがとうございます」、地域の方をお招きするイベントでは「地域の方々による見守りで子供たちは安心して地域での活動に力を注げます。ありがとうございます」、そして毎回の職員会議でも「毎日子供たちの心にたくさん○印をつけてくださる先生方に、心から感謝です。ありがとう」…。
「こんなことでも感謝してくれる」「こんなところも観てくれているんだ」「今度は何をほめてくれるんだろう」「頑張ってやってよかった」「自分も真似してみよう」…。子供はもちろん、親も地域も、そして先生方も、校長先生からサンキューを言われることが楽しみになっていき、校内が「ありがとう」に満ちていったのです。
「ありがとう」は、相手を思えばこそ誰でも発することができる言葉です。無条件で相手の自己肯定感を高める言葉です。そして、信頼をつむぐ第一歩の言葉であり、教師と子ども、親と子ども、子供と子ども、教師と親。教師と教師…、そんな「人と人とをつなぐ」言葉なのです。
「たった5文字の教育改革」。それが「ありがとう」の5文字です。「ありがとう上手な大人」、みんなで目指しませんか?
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