教育長あいさつ　令和2年8月号

 

 

「教科書の採択について」

 

 

 

 

　本日の定例教育委員会の主たる議題は、令和3年度から使用する中学校の教科書採択。地教行法によって採択は学校を設置する自治体の教育委員会が責任をもって行うことになっています。だから私たち5名の教育員委は21社が発行する10教科16分野、合計125冊の教科書すべてを読み込んで（本当です）今日を迎えました。

　正直な感想です。どの教科書も大変よくできている。文部科学省の検定を通ったものであること、その分野に秀でた人たちが集まって作成されていることなどを考えると当然といえば当然。だからこそいずれの教科書でもしっかりと学べば相当な学力が育まれる。いや、学力だけでなく豊かな人間性や学び続ける力、20年後彼らが社会に出た際に求められる資質・能力が確実に身につくと思います。
　

　どの教科書も非常に丁寧。キャラクターが登場し学びの方向性を示唆してくれるし、子供に代わって意見を述べてくれる。単元内のどこで話し合い活動をすればよいかも教えてくれるし、重要ポイントはページをめくると天然色の大判カラー写真が使われ視覚的に課題が捉えられるよういなっている。巻頭言では学ぶ意味や意義、楽しみや喜び、学ぶことによって得られる未来への夢や希望が語られているし、各ページに配されたQRコードにアクセスすれば、より深く、幅広く学べる動画等のコンテンツが準備されている。

　このような「手取り足取り」はあくまでも「学びの素人である子供たち」の「主体的な学び」のためであって、「学ばせるプロである教師」の「労を少なくする」ためのものではないはずです。いかに優れた教材であっても「この教科書をどう使うか…」子供の表情を思い出しながら四苦八苦する教師の元でこそ生きた教材となるはずです。