教育長あいさつ 平成30年10月号

ページ番号2000038  更新日 2020年8月30日

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写真:教育長

未来のノーベル賞受賞者たち

なぜだろう 学び詰まった 秋清瀬(酔花幻)

すでにこのホームページの「トピックス」にも掲載されていますが、清瀬の子供の素晴らしい「成果」をもう一度アピールさせてください。

それは「平成30年度中学生科学コンテスト」において第二中学校2年岡庭君、望陀君、松本君の3人のチームが見事「優秀賞」に輝いたこと。本コンテストは東京都が主催する理科・数学の知識や技能を競う大会。協働して問題を解決していく「チームワーク」も試されます。

今年度は都内188チームが参加。筆記競技と実技競技で審査され、第二中学校チームは実技部門での「栄誉」。公立中学校での入賞は本校だけ。他の入賞校は国立や都立の中高一貫校、有名私立中学校など名だたる学校ばかり。すごいことです。素晴らしいことです。

去る10月1日、「栄誉」を勝ち得た3人が教育長室に凱旋報告に来てくれました。そこで私はちょっと意地の悪い投げかけをしました。「自己紹介だけでなく3人で分担して今回のコンテストについて説明してくれないか?」

お判りいただけると思いますがこの「お題」は大変難しい。「教育長室」などという仰々しい部屋に通されて、極度の緊張の中、どこの誰かもわからない、どんな人かも知らない「教育長」と名乗る偉そうな私に対して、科学コンテストの何を伝えればよいのか、どう説明すればわかってもらえるのか瞬時に考え、判断しなければなりません。それも3人で分担して話をしなければならないわけですから…。事前の「打ち合わせ」をせずにこの「お題」をクリアすることは、私たち大人でも大変難しいこと。あえて彼らに「難問」を突き付けてみました。

私の「助け舟」を借りながらも、そして互いに助言しあいながらも、また一部わかりにくい説明でありながらも、彼らは笑顔で、はきはきと、そして生き生きとこの「難問」をクリアしてくれました。

これから完全実施される新しい学習指導要領では、これまで重きが置かれてきた「知識や技能」の習得だけでなく、「未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力」を育てる必要性が訴えられています。この度の教育長訪問は彼らにとって「非日常」。すなわち「未知の状況」です。そのような厳しい環境においても、彼らは見事に「考え」「判断」「表現」し、私が出した難解な「お題」をチームで乗り越えたのです。科学への知識・理解や技能だけでなく、次期学習指導要領が目指す力がすでに彼らの中に宿っていることがこの数分間で証明でき、改めて心強く、そして誇りに感じました。

今回の「栄誉」は紛れもなく3人の努力によるもの。きっと先に述べた「力」を自らの手で育て、成長させてきた結果だと思います。また科学博物館に連れて行ったり、家庭内で科学に関する話題を交わしたり、子供の興味・関心を高めるような本や雑誌を購読したり、「なぜだろう」「どうしてだろう」といった「疑問」を引き出す問いかけをしたりといった「家庭教育」という下地があったからこそ成し得たもの。しかし、それらをベースに学校教育が力を発揮したが故の成果であるとも、胸を張りたいと思っています。

第二中学校では2名の理科の先生方が彼らと真摯に向き合って指導し、共に知恵を絞り、共に準備を重ねてコンテスト当日を迎えたと聞きます。普段の授業でも一人でも多くの生徒たちに「なぜだろう」「どうしてだろう」と問いかけて、理科に対する興味・関心を持たせる様々な工夫をされているとのこと。3人の興味・関心を「モノづくり」として具現化できたのは紛れもなく第二中学校の「教育」の、指導した「先生方」の力なのです。彼ら3人は、私たち清瀬の学校教育が充実しつつあることも証明してくれたのです。

この嬉しい知らせと前後して、京都大学特別教授である本庶 佑(ほんじょたすく)氏がノーベル医学・生理学賞を受賞したとの報道がありました。がんを免疫で治療する新しいメカニズムの新薬を開発した功績によるものです。彼ら3人の姿と本庶氏の姿がダブると言ったら言い過ぎでしょうか。贔屓目でしょうか。いやそんなことはけっしてありません。彼らの可能性は無限だからです。いや彼らだけではありません。私たち大人がしっかりと導いてあげれば、すべての子供たちは無限大の力を発揮してくれるはずだからです。

瞳を輝かせて語る彼らの表情を見て、未来への夢と希望を抱いたのは私だけではないはずです。彼らの将来に、そして5,600人の子供たちの未来に心から期待したい! そんな強い思いを抱かせてくれた3人に改めて心からのお礼と盛大な拍手を送りたいと思います。

写真:教育長への受賞報告の様子
教育長室で記念撮影

教育長 坂田 篤(さかた あつし)

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