教育長あいさつ　令和3年5月号

 

 

「新しい葡萄酒は新しい革袋に入れよ」

 

 

 

　半世紀にわたって清瀬の充実・発展を見つめ続けてきた旧庁舎が役割を終え、大地震にも耐えうる免震構造や柱のない大空間を実現する構造など、最先端の技術の粋を集めた新庁舎が完成しました。清瀬にとって新しい歴史の幕開けです。

　コロナが世の中を席巻している今、新庁舎が完成したことに大きな意味を感じます。

　コロナは私たちに、これまでの当たり前と信じていたことが、実は必ずしも当たり前ではなかったことを教えてくれました。満員電車に乗って会社に行くこと、大変な手間をかけてスケジュールを調整し会議を開催すること、本当に良いものが否かを我が目で直接確かめて買い物をすること、人間関係を作るために宴会をすること、授業を受けるために学校に行くこと、授業は黒板とチョークを使ってやるものだということ、自分の意見は手を挙げて指名されてから答えること…。

　古きよきものを残しながらも、新しい働き方、新しい市民生活の在り方、新しい教育の考え方が求められる時代になったのです。

　「新しい葡萄酒は新しい革袋に入れよ」という諺があります。新しい思想や価値観を表現するためには、それに適した新しい形式や心構えが必要であるという意味。新しい時代に必要な新しい使命を果たす清瀬市役所の象徴こそが新庁舎なのです。

　新庁舎の2階に居を構える清瀬市教育委員会事務局も、新しい時代に必要な新しい使命を実現していくことに心躍る思いです。GIGAスクール構想、公共施設の再編、地域との協働、コミュニティスクールの設置…。これらの確実な推進と実現は、これまで清瀬市が経験してこなかった新しい時代に必要な新しい使命です。

　緊急事態宣言が延長され（5月8日現在）、コロナ対応で厳しい毎日が続きますが、私たちは「新しい革袋」の名に恥じないような、「新しい葡萄酒」を創り上げていきたいと決意しています。