教育長あいさつ　令和2年7月号

 

 

「Youの視点」

 

 

 

 

　「危険なことがわからん奴は、感染してしまえ…」、ネットでこんな刺激的な言葉が話題になっています。

　発信者は京都大学のウイルス学者、宮沢孝幸准教授。今、感染拡大の主役になっている20代から30代の若者にコロナの怖さと感染への危機感を持ってほしいと願い、あえてこのような挑戦的な言葉でツイートしたといいます。

　「若者は重篤化しにくい」「無症状者が多い」「東京都は3000床の準備があるから医療崩壊は起こらない」「陽性者増はPCR検査体制が整った成果」などの情報があります。また大規模イベントや「Go-Toキャンペーン」などの経済活動優先の国の動きも耳にします。「自分はかかっても死ぬことはない…」「感染してもちょっと入院すれば大丈夫…」「コロナ？　意外とたいしたことはないかも…」との意識を活動的で怖いもの知らずの若者が抱くのはごく自然なことなのかもしれません。

　彼は、そんな若者に対して「自分は感染していると想定して行動せよ」と発想の転換を求めます。「誰にもうつしてはいけない」「うつらんようにするよりうつさんことに意識を集中せよ」「他人と食事をするときは黙れ！　友達と会話したければ食事後にマスクをして話せ！」とメッセージを送っているのです。

　「たいしたことがなくても、自らのウイルスによってお年寄りの命を奪ってしまうかもしれない」という「他者意識」、「もしも自分が無症状者で気づかぬうちに家族に感染させてしまったとしたら子供はつらいだろう…」と感じられる「You」の視点こそが最も必要なのかもしれません。